NON STYLEと笑い飯の粋な話

昔は仲が悪かったというNON STYLEと笑い飯。

NON STYLEが大阪にいた頃から仲が悪かったらしく、
芸人仲間の間でも、この2組は犬猿の仲として有名だったようである。

画像：神戸経済新聞

当時、数々の賞を取り人気も凄かったNON STYLE。
しかし、笑い飯がM-1の決勝に行ってからは立場が逆転。

笑い飯の哲夫は

「NON STYLEは人気だけで全然おもろないねん！」

と後輩に語ったり、誰かがボケてスベったら

「NON STYLEか！」

というツッコミをするなど、

面白くない＝NON STYLE

という図式をお客さんや後輩に植え付けていった。

ある日、芸人たちでお花見をすることになった時の事。
笑い飯哲夫は酔っぱらっていたこともあってか、
その場にNON STYLE石田がいるにも関わらず、大きな声で

「NON STYLEは全然おもろない！
　人気だけや！」

と言ったところ、普段大人しい石田もこの時ばかりはブチっとキレて、
先輩にも関わらずボコボコの殴り合いという事態となった。

―そして2008年。

M-1で優勝を狙うNON STYLEは
今までの漫才やったら優勝できないという事で
色んなパターンを模索していた。

そんな中で考えて考えて考えて出来たのが、
石田が太ももを叩くという漫才。

しかしこのネタは出来た時期も遅く、
実際に人前で試す機会がなかなか出来ず。。。
最後に試したのがとある営業先だった。

営業先は犬猿の仲である笑い飯も一緒で
出番はNON STYLEの後に笑い飯という順番だった。

まずNON STYLEが舞台に出て行って
太ももを叩く漫才をやったものの全然ウケず。。

(この漫才あかんのかな・・・)

ネタを終えて落胆しながら舞台袖へと帰っていくNON STYLE。

舞台袖には次の出番のために待機して
NON STYLEの漫才を見ていた笑い飯がいたので
「お疲れ様でしたー」と挨拶をして去ろうとしたところ、
笑い飯の哲夫はすれ違いざま、
2人にこんな言葉をかけて舞台へ向かっていったという。

「何をNON STYLEのくせに
　おもろい漫才してんねん」

この言葉を聞いたNON STYLEの石田は
舞台袖で人目もはばからず泣き崩れたという。

笑い飯がやっと認めてくれた！この漫才はイケる！
という確信を得たNON STYLEは、
この年、この漫才で見事 M-1で優勝した。

参照元：『千原ジュニアの粋な夜』