リアル・プリズン・ブレイク！ 鉄壁要塞からの脱獄③ からの続き。
第4話 -MISS-
すぐに追跡専門チームが結成され、ポンテスたちを追った。
脱獄犯追跡専門官 カート・ロイターによると、
逃亡犯の追跡にはポイントがあるという。
それは脳のクセ
追跡専門チームはポンテスたちが何処に逃げるかを推理。
その結果、メキシコへ国外逃亡すると考えた。
何故なら、リーダーのポンテスがメキシコで通じる
スペイン語に堪能だったからである。
ポンテスの行動には無駄がない。
必ず国境付近に現れるはず。
そう推理した捜査官は、ただちに国境付近に検問を張った。
そして、追跡から8日目
警察は不審な車を発見。
その車にはポンテスと仲間の1人 カルメン・ケラーが乗っていた。
警官の乗ったパトカーがサイレンを鳴らしながら近づき、
ポンテスらの車に停車するように指示。
この事態に、車を運転していたケラーは動揺。
しかし、この危機的状況をやり過ごす自信があったポンテスは
「俺達のことがわかっているわけではない。
きっと、スピード違反か何かだ。
罰金を払えばいい。」
と落ち着かせ、警察の指示どおりに停車するようにうながす。
ポンテスに促され、ケラーが車を停車させると、
その後方にパトカーも停車。
パトカーから警官が降りて
ポンテスたちの乗る車に近づいてくる。
と、その時
耐えきれなくなったケラーは車を急発進させてしまう。
警察を振り切ろうと、必死でアクセルを踏み続けるケラー。
警察もすぐさまその後を追う。
激しいデッドヒートが繰り広げられた後、
ケラーの運転する車は脇道へと逃げ込んだのだが、
その先は行き止まり。
あわててハンドルを切ったものの、車は転倒してしまった。
警察は脱獄犯の1人、
カルメン・ケラーを逮捕。
しかし、主犯格のポンテスは逃亡。
この状況において、脱獄犯追跡専門官はポンテスの追跡よりも
ケラーの尋問を優先した。
ケラーはプライドの固まりであり、
脳のクセを読むのが最も簡単なタイプだったという。
プライドの高い犯罪者は、ほめると口が軽くなる。
この脳のクセを利用し、
「6つの州の警官が血眼で追っている。
お前たちはヒーロー扱いだぞ」
といったようにケラーをほめつつ、尋問していった。
すると、トラビスという協力者がいることが判明。
あとはFBIに連絡するだけだった。
協力者トラビスの居場所はすぐに探し当てられ、
FBIは国境近くのモーテルに急行。
そこにはポンテスも含めた残る脱獄犯が潜伏していた。
そして、銃を構えたFBIがモーテルに突入。
多くの警官に銃をつきつけられたこの状況においては、
さすがのポンテスも逃亡をあきらめざるをえなかった。
こうして脱獄犯6人は全員逮捕となった。
5年もかけて念入りに準備し、脱獄を実行に移したポンテスだったが、
逮捕されるまでにかかった時間はわずか13日間だった。
ポンテスらが実際に逮捕された時の様子
そしてポンテスは、裁判で意外な事実を知らされる。
国境付近でポンテスとケラーの乗る車を止めた警察は、
ポンテスらに気づいていたからではなく、
単にシートベルトの取り締まりのためであった。
シートベルトをしていれば、
ポンテスたちは今頃メキシコにいたかもしれない。
些細なミス1つによって、
ポンテスらは自由への扉を閉ざしてしまったのである。
参照元：『実録世界のミステリー』
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